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借金の問題 C過払金回収手続 Q&A

Q1 過払金とは何ですか?

A :
過払金とは,サラ金業者などの貸金業者に対して,過去に払いすぎたお金のことを言います。

Q2 なぜ,過払金が発生するのですか?

A :
貸金業者は,利息制限法が元金額に応じて上限利率を定めているにもかかわらず,その上限利率を更に上回る高利の約定を取り決め,本来は利息として受領でできないはずの利息をこれまで取得してきました。この払いすぎた利息を元本に充当することにより,法律上,支払義務のある債務額を確定することを元本充当計算といいます。
※ 利息制限法の上限金利は以下のようになっています。
元本額 10万円未満        20%
    10万円以上100万円未満  18%
    100万円以上        15%
だいたい5年から7年以上,貸金業者との間で借入と返済を繰り返していると,元利充当計算を行った結果,元金が0円になります。元金が0円になった以上(完済状態),その後に利息を支払う必要はなくなるわけですが,貸金業者は,元金が0円になったことを教えてはくれませんので,借主はその後も返済を続けていくことになります。このように,元金が0円になって以降も返済を続けていくと,過払金が発生することになります。

Q3 過払金についても利息は付くのですか?

A :
貸金業者が,民法704条の「悪意の受益者」といえる場合は,過払金発生時から年5%の利息が付きます。大半の貸金業者は,「悪意の受益者」といえいますので,利息が付くと考えて良いでしょう。

Q4 過払金が発生しているかどうかは,どのようにすれば分かるのですか?

A :
弁護士が受任後直ちに,貸金業者に受任通知を発送すると,概ね1ヶ月以内に貸金業者から取引履歴が開示されてきます。取引履歴とは,貸金業者が借主に対し,いつ・いくら貸し,いつ・いくら返済を受けたかという過去の取引の経過が書かれている表のことをいいます。弁護士が,この取引履歴を元に元利充当計算を行うと,過払金が発生しているかどうかが分かります。

Q5 過払金の時効は,何年なのでしょうか?

A :
最終返済日から10年です。この期間を過ぎた後に過払金の請求をしても,貸金業者から,消滅時効にかかっているとの主張(援用といいます)を受けてしまいますので,注意が必要です。

Q6 過払金を回収するのに,どれくらいの時間がかかるのですか?

A :
弁護士が,過払金の額を計算した後,貸金業者に請求をしても,満足のいく回答が帰ってくることはほとんどありません。良くて元金の7割程度,悪くて元金の3割程度の回答が帰ってくると思われます。
そこで,相手方にもよりますが,元金10割+支払日までの利息(年5%)を回収するためには,裁判をすることになります。
裁判を起こしてから和解や判決取得までには,だいたい3ヶ月から半年程度かかることが多いです。貸金業者の中には,支払を命ずる一審判決が出てもすぐには支払に応じず,控訴してくるところもあります。そうなると,訴訟提起から過払金の回収までに1年以上を要することもあります。
以上のように,貸金業者によって,回収の難易度が変わってきますので,見通し等については,弁護士が丁寧にご説明します。

Q7 支払を命ずる判決が出ても,貸金業者が支払ってこない場合はどうするのですか?

A :
貸金業者が判決を無視して,支払ってこない場合は,貸金業者の財産を特定した上で,強制執行(差押え)の申立を裁判所にすることができます。差し押さえる対象は,貸金業者の銀行口座や店舗で保管している現金などです。
ただし,差押えが奏功しない場合もありますので,この点の見通し等については,弁護士が丁寧にご説明します。